賃貸の更新料は支払う?|契約更新の手続きチェックポイント

更新の用紙で家賃が上がってました!断れますか?

更新料の支払いって断れるのですか?

認めないなら更新しないと言われました。どうしたらいいですか?

最初に契約書をチェック
賃貸の契約には2種類あります。
まずはあなたの契約書がどちらの契約なのかを確認しましょう。
確認方法は契約書の1枚目、一番上に書かれています。
判断方法は、「定期借家契約書」か、それ以外の契約書(標準契約書・賃貸借契約書・契約書などなど)かを見て判断できます。

定期借家契約とは、レオパレスやホテルのように「いつまで住む」が決まっている契約でその期間が過ぎたら退去しなければなりません。
新しい条件や、特約追加を認めなければ期限までに退去しなければならない契約です。
期限が来たら退去だが、オーナーの好意で荷物や敷金などそのままの状況で再契約(更新と表現することもある)してあげます。

逆に、普通賃貸借契約・標準契約など「定期」と書かれていない契約なら自分の判断でいつまでも入居できます。
オーナー側がどんな理由を言っても一方的に契約更新を拒否することはできません。
更新で契約書を結びなおす必要もなく、最初の条件が優先されるため、賃上げや特約の追加があっても理由なく断ることができます。
逆に、賃料の減額交渉も理由なく断られることがあります。
※契約更新は減額交渉のタイミングではないのでご注意ください。
更新料・更新事務手数料
契約書の条文を確認しましょう。
一般的には2年が多いですが、1~3年など契約によって違います。
更新時に更新料・更新事務手数料の記載があれば有効で支払わなければなりません。
更新料は家賃の1部とされているので支払わないと家賃滞納です。
対策は契約をする前に更新がない契約を選ぶ・探すしかありません。
契約後に、更新料・更新事務手数料をナシにする方法はありません。

〇条(契約の更新)
契約更新時には更新料として賃料の○ヵ月分を借主は貸主に支払うことを借主は承諾しました。
更新の書類を確認
入居者の人数(結婚や子供の数)を確認するだけの内容も多いですが、一部の悪質なケースで、説明なく賃料の値上げや特約などの追加条件・負担しなくて良い金銭を請求している場合があります。
確認をせずに契約更新の書類にサインをするとその書類が有効になり、最初の契約の条件が上書きされたことになります。
認めた後から撤回や無効を主張することはできません。
ご注意ください。
悪質なぼったくりを確認する方法は、最初の契約書と見比べることです。

- 家賃・共益費・管理費の金額
- 契約書に無かった金額表が添付されてる
- 新しい特約が追加されている
- 新しい条文や条件が追加されている
- 更新の契約名が「定期借家」になっている
最初の契約と違う内容は理由なく拒否してOK
追加条件の断り方
最初の契約にない追加条件は認めない

という主張を「記録に残す」ことです。
具体的には、更新書類のぼったくりや最初の契約書の内容と違う条件部分に2重線や斜め線で削除して押印をして送り返しましょう。
断った証拠として、必ず写メやコピーを印刷して残すことをオススメします。
備考に追加文
最初の契約と違う条件の追加は一切お断りします。

新しい契約書を作り直す場合
契約更新の書類を提出するだけで良い不動産会社もありますが、更新事務手数料(不動産会社の儲け)を取る不動産会社などは契約書を新しく作り直すことがあります。
新しい契約書と古い契約書を見比べて、勝手に追加・変更されている点があれば削除や拒否しましょう。
ただ、全部の契約内容をチェックして違いを探すのはとても大変です。
後から確認漏れがあっても大丈夫なように、特約の追加を依頼しましょう。
断られても大丈夫!
トラブル状態で更新日を過ぎたら法定更新で入居者に有利になります。
※最初の契約書は絶対に捨てないで
メール例
「更新のため新しく契約を結び直すため、契約内容は前契約内容を引き継ぎ、特約などの追加があった場合には全て無効とする」
という特約を追加してください。

トラブル状態で更新日を過ぎたらどうなるの?
安心してください。
退去する必要はありません。
むしろメリットだらけです。

当事者が1年前から6ヶ月前までの間に、相手方に対して更新をしない旨の通知をしない場合には、契約は法定更新されることになります(正当自由が必要)
これは貸主の意思に関係なく強制的にそうなります。(強行規定)
かんたんに解説
裁判の判例などの根拠がない、更新拒絶は認められないよ。
そんなトラブル状態で更新日を超えたら更新・更新料・更新事務手数料が無い契約に強制的になります。

オーナー側が一方的な賃上げや特約の追加を強要した結果、今後は更新が無くなって更新料や更新事務手数料などの支払いをしなくて良くなります。
手続きを放置したなどの、あなたが原因で期限が過ぎた場合には対象になりませんのでご注意ください。
期限を過ぎたら強制的に法的更新になるのでどんな言い訳をされても応じる必要はありません。
メールや録音など全て記録に残すことをオススメします。
メール例
更新の書類に一方的な特約追加や賃料増額の記載があり、指摘をした状態で放置の結果、契約の更新日を過ぎましたので、〇月〇日、法定更新したしました。
法定更新の強行規定により、今後は前契約内容を継続し更新がない契約として、更新・更新料(更新事務手数料)の支払いはお断りします。
これまでのやりとりやこのメールは証拠とするためにお送りいたします。
更新については解決し、同内容の話合いはお断りしますのでどのような伝え方でも連絡があれば脅迫・恫喝だと判断し、都道府県の不動産課へ処罰の申し立ての証拠とします。

更新書類を送ったら電話やメールで強要された!
条件を認めないと更新できません。

相場的にも家賃は値上がりするので〇月分から引き落としします。

どのような理由でも応じる必要はありません。
電話などで伝えられた内容をメールで記録に残るように返信しましょう。
いろんな言葉で誤魔化しても最初の契約が有効であり、同意のない追加条件を受け入れる義務はありません。
脅迫・恫喝を記録に残して県の不動産課に行政指導や業務改善命令をお願いしたり悪質業者の口コミなどをしましょう。
強要の反論例
〇月〇日、〇〇不動産の〇さんから、「○○」と一方的に当初の契約を無視して強要されました。
先のやりとりで脅迫・恫喝されたことを理由に最初の契約以上の条件追加はお断りいたします。
このメールは○○不動産の強要証拠にするため、保管します。

おまけ 更新時期の別手続き
部屋を借りる時には、3つの契約をすることが多いです。
- 部屋の契約
- 家賃保証会社の契約
- 火災保険の契約
他にも、別契約駐車場やオプションの契約などご確認ください。
無保険や手続き忘れで余分なお金を支払わなければならないように、部屋の契約更新だけでなく、火災保険・家賃保証会社の契約書や更新の状況も確認しましょう。
火災保険は不動産会社が案内しているぼったくり保険ではなく、安くて内容が充実したタイプに切り替えることをオススメします。
安心サポートなど要らないオプションの解約など無駄な支出の解約などもお忘れなく!
保証会社は契約手数料や保証人の追加など変更をするメリットがないため、そのままが良いでしょう。
ひとこと まとめ
特約や負担の追加などは理由なく断ってOK
裁判の判例などの理由が無いと更新拒絶は出来ないくらい入居者の立場は強いよ。
